急逝した「牛乳大使」を悼む・・

2010 年 3 月 8 日

カテゴリー: — djkanto @ 4:21 AM 未分類

作家の立松和平氏が亡くなって早1ヵ月。
氏は、2008年、「6月は牛乳月間」と定められたのを機に
業界団体から「牛乳大使」に任命されています。

氏の初期の作品「遠雷」(1980年)は、栃木県の県庁所在地近郊で
都市化に抗して、トマト栽培で生きる青年の物語。
主人公は酪農家ではありませんが、
「農業で生きること」では共通です

記者は、氏の熱心な読者ではありませんでしたが、
氏が農業、酪農に共感を寄せてきたことは知っており、
職業がら、4部作の物語「酪農家族」(写真)は通読しました。
また、酪農や牛乳に関する講話を聞いたこともあります。

その感想は、ここでは書きませんが、
大手メディアの内で、日本の酪農を支持している著名な書き手の一人だ、
と認識していました。

今もって、
その早すぎる氏の逝去(62歳)は、すごく無念なことと思います。

専用の長靴を用意して防疫体制を

2010 年 3 月 1 日

カテゴリー: — djkanto @ 4:58 AM 酪農現場

千葉県のある地域では、どこの牛舎入口にも
石灰の消毒槽が置いてあります。

牛舎に出入する人(獣医さん、授精師さん、家畜商、エサ屋さんなど)には
皆さん、そこで履物を消毒してから入ってもらいます。

これも伝染病の伝播、とりわけサルモネラ予防の対策ですが、
A牧場では、さらに消毒槽と、獣医さんと授精師さんには
専用の長靴を用意し、履き替えてもらっています。

本誌3月号に「忍び寄り、伝播する病原菌の侵入を防げ!」という記事を
掲載しましたが、養豚場のレベルまでにはいきませんが、
守れる限りは守ろう、というのが地域の酪農の姿勢です。

地域の酪農協も、無料で石灰を配布したりと、
少しずつ防疫の意識が高まってきました。

仕事を創る:「ジョブ・クリエーション」とは

2010 年 2 月 22 日

カテゴリー: — djkanto @ 4:38 AM 未分類

先日、東京大学社会科学研究所の
玄田有史先生(専門は労働経済学)に話を伺いました。

先生は同研究所の全所的プロジェクトである「希望学」の
チームリーダーとして活動してきましたが、
何よりも先生の名前が一般に知られるようになったのは
いわゆる「ニート(若者の無業者)」問題の著作からでしょう。

しかし、それ以前から「仕事・生きがい・働きがい」などについて
研究調査を精力的に続けてきており、
著書「ジョブ・クリエーション」(日本経済新聞社、2004年)の
あとがきで、次のように書いております。

「職と人が出会って“ジョブ”は生まれる。
ジョブを創ることは職を創ること。職を担う人材を創ることである。
同時に、職と人材が出会う機会を創ることである(後略)」

ジョブ・仕事の満足度の高い人ほど、
職場・同業以外の人たちとの、緩やかな関係づくりをしているそうです。

仕事のなかの曖昧な不安をかかえながらも
職を担う人材を創る・・・酪農でも同じことが大事なように感じます。

売りずらいのも無理からぬこと 牛乳1リットルパックで205円

2010 年 2 月 15 日

カテゴリー: — djkanto @ 4:16 AM 地域情報

神奈川県の湘南地域の駅ビルの店舗で販売していた成分無調整牛乳。
1リットルパックで205円でした。

ネーミングは写真の通り、「さがみ おいしい3.6牛乳」。
県内一円の生乳だけを使ったものですが、パッケージは
丹沢山系の東に位置する、大山(おおやま)をバックにしたもの。

「さがみ」という地域の名前になっていますが、
三浦半島や横浜という地名も書かれており、少し抽象的で、違和感を覚えます。

1リットルパックで、205円という価格も、
直近の全国POSデータ平均の約180円(J‐milk調べ)と比べて高めの設定。

お店の担当者氏に聞くと、
「以前は180円台で売っていたこともあったけど、次第に仕入れ価格が上がり、
テナント料もかかることなどで、
ぎりぎりの価格設定であって、とても利益が出ていない」とのこと。

それらの事情は理解できるけど、
でも、特に特徴があるわけでもない牛乳が、この価格では売りずらいだろうし、
牛乳消費が減るのも無理からぬこと、と痛感しました。

耕畜連携と冬の白菜

2010 年 2 月 8 日

カテゴリー: — djkanto @ 5:32 AM 酪農現場

茨城県S牧場の地域は、日本一の白菜の産地。
いまの季節は、いたるところで霜に当てた白菜の出荷が盛んです。

Sさんの堆肥は、発酵促進のコーヒー粕と水分調整のオガクズが入った
完熟堆肥。S牧場は、こうした堆肥を畑作農家と連携し、販売しています。

平成16年からの行政による「家畜排泄物の利用方針」でも、平成27年度を目標に
1:耕畜連携
2:ニーズに即した堆肥づくり
3:エネルギーとしての利用 にポイントを置いています。

Sさんの堆肥を使った畑の白菜は、頭部を一つ一つワラで縛られています(写真)。
白菜は霜に当たると葉が開いてしまい、内側の葉まで傷んでしまうからです。
白菜はアブラナ科の作物で、霜に当てることで、
内側の葉のデンプン質が不凍の糖に変わり、甘みが増してくるとのこと。

その甘さは果実並みで、
同地域には、「霜降り白菜」というブランドを確立した農業法人もあります。

耕畜連携――関東の酪農では、避けて通れないテーマの一つです。
なお、先週末に農水省が公表した調査結果では、
家畜排泄物の法律を満たしていなかった酪農場(乳牛10頭以上)が
昨年末で9軒いたそうです(全体の達成率は99.9%)。

搾り立てミルクのジェラートが人気

2010 年 2 月 1 日

カテゴリー: — djkanto @ 4:32 AM 酪農現場

東京新宿から郊外に延びる私鉄沿線。
約40分くらいで、左側の車窓から見えるキング式牛舎の建物。

ここは、ジェラートショップの「アルティジャーノ・ジェラテリア」。
2005年にオープンし、土日には駐車場に入れない車もあるほどで、
都内では4番目の酪農家直営のアイスショップです。

素材は地元産の農産物で、約10種類のフレーバーがあり、
原料乳は、ここから徒歩約10分の
多摩丘陵の中にあるO牧場産。
Oさんは、ホルスタインとジャージー約25頭飼養の酪農家。

ショップから案内板を頼りに、山道を歩くと牛舎がありますが、
なんとその牛舎には・・・・?

答えは、Dairy Japan誌の3ヵ月以内号のコーナーで。
まだお読みになっていない方は、
ただいま「3ヵ月無料お試しキャンペーン」中なので、下記ページからお申し込みを。
http://www.dairyjapan.com/modules/ccenter

哺乳子牛用の木枠ふかふかベッドで快適

2010 年 1 月 25 日

カテゴリー: — djkanto @ 4:04 AM 酪農現場

千葉県のO牧場(繋ぎ牛舎)では、哺乳子牛を1頭ごとのペンで飼養。

その際、木枠でベッドをつくり、下にカンナ屑、その上にワラを敷き、
子牛はその中で温かく、すっぽりと寝ることができます。

木枠の材料はホームセンターで売っている幅18センチの板で、
一辺が80センチ平方につくります(ホルスタインの場合)。
F1子牛用(写真)には、それよりもやや小さめにします。
この大きさがポイントの一つで、子牛が拝糞・排尿してもベッドの外に落ち、
子牛は汚れず、掃除が楽になりました。

もう一つのポイントは、子牛を入れ替えるときは、
木枠を消毒し、新しく石灰を十分に塗ること。
こうすることで、前の子牛の臭いが消えて、すんなり馴染むとのこと。

ワラの補充は毎日行いますが、
全部を交換するのは1週間に一度くらいでOK。

この木枠ベッド、県内の他地域にも普及してきたようです。

なお記者は、冬場に哺乳子牛のペンに行くことを
できる限り避けるようにしています。
今回も、その日は、どこの農場にも寄らずに最初に行って、
写真を撮ったら、すぐに離れました。
それでも、何となく安心できない心境でした。

かすかな面影を残して・・

2010 年 1 月 18 日

カテゴリー: — djkanto @ 4:07 AM 酪農現場

首都圏の高速道路と国道16号の交わるインターチェンジの近く。

この地(写真上)には、かつて戦後開拓で入植した方々が
酪農や養鶏などを営んでいました。

県内広域をカバーする酪農協の事務所や育成牧場もあり、
昭和40年代には若い世代が中心になった牛舎が並び、
夏はトウモロコシ、冬はイタリアンの圃場が広がっていました。

故・渡辺高俊先生を招いて、「二の背」の長い牛は泌乳能力が高い
という勉強会を開いたり、
公民館の広場では、地域のホルスタイン共進会なども開かれました。

記者は当時、その中のお一人の酪農場、
Nさんが新しい技術を慎重に選択していく姿を見ながら、
Nさんにできるものは、関東の他の農場でも、その技術は活かせるはず
と考えてきました。

そんなNさんやYさん、組合長をつとめたSさんの牛舎は、
いつしか、物流倉庫や病院、老人ホームなどに変わっていき、
今は、わずかに家庭菜園の畑が転々と残り、
酪農を営んでいるのは2軒だけになりました。

そして、牛が大好きだったNさん宅の垣根の一画には
いつも牛乳缶に季節の花が飾ってあり(写真下)、
ここが酪農地帯だったことを偲ばせています。

記者は、この地の近くを通るたび、往時を思い、
いつも複雑な思いにかられます。

千産千消(千葉県産・千葉県内消費)の2品のミルクデザート飲料

2010 年 1 月 11 日

カテゴリー: — djkanto @ 4:38 AM 地域情報

千葉県は日本の酪農発祥の地。
同県長柄町のジャパンフーズ株式会社は、
地域との共生を理念とし、飲料類の製造販売などを主な事業としています。

そこで同社は、商品開発の一環として、
千葉県産原料にこだわったデザート飲料を2品、昨年末に県内で新発売。

一つは、県産牛乳と出荷額全国1位(農水省調べ)のさつまいもを使った
「おいしい さつまいもオレ」 190g。
もう一つは、県産牛乳と出荷額全国2位(同)の卵をつかった子ども向けの
「おいしい 飲むプリン」190g。

どちらも、ちょっとお腹が空いたとき、ホッとできる飲みものです。
なかなか美味で、缶飲料だけではもったいなく、
ファストフード店やファミリーレストランのメニューに欲しいくらい。

パッケージには、県内の房総の2文字を使い、
「房子(ふさこ)」と「総子(そうこ)」の双子の牛のキャラクターが、
県の花である菜の花を背景に踊っています。

県南房総エリアの物産店やHPから購入可能で、
詳しくは、下記へ。
http://www.japanfoods.co.jp

謹賀新年

2010 年 1 月 4 日

カテゴリー: — djkanto @ 4:25 AM 未分類

今年最初の「関東支局だより」です。
写真は、一条の朝日が昇る前の搾乳前のN牛舎(千葉県)。

関東生乳販連は、年末年始にかけて販売不可能乳が
約1300トン発生すると予測し、その間、出荷抑制を会員に要請したようですが、
今年は、どのような経営ステップを踏んでいこうか、
皆様の酪農場も思案中のことと思います。

先般、総務省から人口統計が発表されましたが、
日本の市場は高齢化などによる問題を解決しない限り、
右肩上がりには、もうならないでしょう。
60歳以上が、実質資産の9割を占めている状態で、
日本の成長戦略をどう描いていくか、
とても難しいように思います。
その中で、酪農乳業はどんなポジションを占めていくのでしょうか。

ある雑誌の対談で、東芝の佐々木社長は、
「(前略)急激に下がった時期というのは、別のチャンスが生まれてくるはずなんです。だから、いまの状況を景気循環と見間違えて、いずれよくなるからと過去と同じことをやっていたらダメで、上昇局面にはまったく別のプレーヤーがずっと強くなってくるとわきまえなければなりません(後略)」
と述べています(「文藝春秋」2009年12月号)。

このことは、どこか酪農にも、当てはまるように思います。
今年もよろしくお願いいたします。

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