夏枯れ

2010 年 8 月 30 日

カテゴリー: — djkanto @ 5:43 AM 酪農現場

栃木県のA牧場は、昨年からデントコーンサイレージと併用し、
放牧約5haを取り入れ、実証試験中です。

これは、ある草地関係の団体の自給飼料増産事業の一環として、
2年にわたりデータを集めているもの。

牧草地は昨年4月と9月に簡易耕起し、
オーチャード2種、ペレニアル2種、イタリアン、スーダンなど7種を播種。

A牧場の牛舎は山の高台にあり、放牧地は、牛舎の下と、上に分かれ、
放牧アドバーザーが草の状態を見て、入牧の時期を指示するそうです。

夏は夜間放牧していますが、でも今(8月下旬)は搾乳牛はほとんど草地に行かず、
パドックの中にいることが多いとのこと。

ご覧のとおり、夏枯れで草が少ないことや、舎内でのサイレージ給与が豊富なこと、
草地まで急な斜面を歩くこと・・・などが要因でしょうか。

夜間、パドックに出ているから夏バテは少ないと、とAさんの奥さんは語ります。
この実証試験の結果がどう出るか分かりませんが、今年が最終年となるそうです。

「あこがれ」

2010 年 8 月 23 日

カテゴリー: — djkanto @ 5:04 AM 未分類

記事の校正で、あるシンクタンク研究員氏と打ち合わせた際、
氏は酪農乳業界は、衣料業界が参考になると語っていました。

衣料業界は毎年、パリ・コレなどでファッションの最先端を発信しますが、
それは「あこがれ」の頂点であり、一般の人が着れるようなものではありません。
しかし、プレタプルテ(注文服)が、そのコンセプトを追いかけ、
そうした素地があって、GAPやユニクロといった、
廉価でもセンスある衣料が成長していくのだ、と。

「あこがれ」。記者はそれを、思慮の深さと先見性のある意思、と理解しています。
氏は「あこがれがないと、業界全体がくすんでしまう」、と語っていました。
非常に含蓄のある言葉と思います。

ところで、1966年に上映された映画「あこがれ」は、
当時のアイドルスター内藤洋子(女優・喜多嶋舞の母親)が、
子ども時代に擁護施設に預けられ、その後、ラーメン屋で働く娘を演じ、
同じ施設で育った友達(田村亮)との、淡い心の交流を描いたもの。

草っ原を走る内藤をクローズアップで映し続ける長いシーンは、
いまも記憶に残っています。

4連の踏み込み消毒槽

2010 年 8 月 16 日

カテゴリー: — djkanto @ 5:54 AM 酪農現場

残暑、お見舞い申し上げます。

千葉県I牧場(繋ぎ牛舎)では、
衛生管理の踏み込み消毒槽を4連にしています。
水+ブラシの槽から始まり、洗剤槽、そして消毒槽です。

「洗剤槽」で長靴等に付いた有機物(泥など)を落とし、
「消毒槽」を踏み込む、という2連が推奨されていますが、

それが長続きできる農場はそう多くなく、
一般的には、畜舎横の外水道のシャワーで洗ってから、
消毒槽に入る、というのが現状でしょう。

そんな中で、I農場は昨年は3連でした。
今年は4連。 来年は、もっと増やすのかな。

おなりみるく工房

2010 年 8 月 9 日

カテゴリー: — djkanto @ 5:55 AM 酪農現場

千葉県一円に組合員を擁する千葉酪農協。
その事務所・乳業工場の前にある直売所です。

名前は「おなりみるく工房」。
お店の側が御成街道と呼ばれているからです。

同酪農協の牛乳やヨーグルト、アイスクリームなどと
近隣の野菜農家さんの新鮮野菜も並んでいます。

この直売所は、同酪農協が現在地に移転する前、
いまは物流倉庫の立ち並ぶ場所になってしまった
国道16号沿いにあった当時から、ありました。

ところで、アイスクリームが241円と、
中途半端な値段なのは、なぜなのだろうか。

ある開拓碑の前で思うこと

2010 年 8 月 2 日

カテゴリー: — djkanto @ 5:49 AM 酪農現場

茨城県の開拓地にあるUさんの農場。

いつもは集落の真ん中の、牛舎が並んだ道を行くのですが、
牛舎の近くを走るのは避けたくて、
畑の畦道を迂回していきました。

各地の開拓集落の隅には、
先人の労苦を偲んだ共同墓苑があることが多く、
この地にも、写真のような碑が建っています。

関東生乳販連の年間受託販売量は約125万トン、
たぶん、その3割くらいを、戦後開拓の酪農場が
占めているのではないでしょうか。

生乳生産が、こうした歴史の上に立っていることを思うと、
身が引き締まります。

Uさんを訪ねた翌朝、口蹄疫発生県での家畜の移動制限が解除されました。
約29万頭におよぶ家畜の死。
それにはあまり言及したくありませんが、
日本の畜産は、その事を後世に活かす責任があると考えます。

「自然があまい」とは

2010 年 7 月 26 日

カテゴリー: — djkanto @ 4:10 AM 酪農現場

静岡県のI牧場の看板です。
牛を描いた角度がユニークですが、

同地域を代表する酪農家のお一人で、
かつては息子さんの共進会出品に合わせて
どこまでも応援に行ったとか。
「高校野球の甲子園出場のようなもの」と
卒業した高校の同窓会記事に述べています(静岡新聞)。

ご覧の通り、「自然があまい」と書かれています。
生乳のもつ温和な甘みは、
成分の乳糖(砂糖の約5分の1の甘み)に由来し、

生乳は、味、におい、口当たりなどで、美味しさが微妙に違うのを、
「あまい」と記したIさんのセンスは、さすがと感じます。

関東は酷暑期に入り、牛と人にとって厳しい日々です。

牛乳バーの「今月の牛乳」

2010 年 7 月 19 日

カテゴリー: — djkanto @ 4:39 AM 消費拡大

都内JR新橋駅構内にある「牛乳バー」。

月替りで、お勧め牛乳を置いていますが、
今月は「黒姫高原牧場」の牛乳、ヨーグルトでした。

同牧場は、長野県S町の酪農家有志が
道の駅内で、製造しているプラントです。

牛乳は200mlビン(65℃30分殺菌)が230円。
当支局も、何度か同地域を訪ねていますが、
しかし、ポスターにある「大自然が育んだ」というフレーズは常套句で、
漠然としていて、牛は草だけ食べているように思われてしまうでしょう。

自然が育む――これは公共育成牧場を差しているのでしょうが、
搾乳牛はかなり購入飼料依存型の経営です。

こうした何気ない語句の使い方が、
酪農家と消費者を近づけるよりも、逆に
酪農の本質を見逃してしまうのではないでしょうか。

ミルクの言葉

2010 年 7 月 12 日

カテゴリー: — djkanto @ 4:17 AM 消費拡大

現代を代表する歌人、俵万智(たわら まち)さんに、

みかん一つに言葉こんなにあふれており
 かわ・たね・あまい・しる・いいにおい

という短歌があります。ある雑誌の中で、
「子どもと一緒に時間を過ごす中で、もう一度自分も真っ白な気持ちで
言葉に出直したという実感がありました。
子どもに蜜柑を剥いてやる中で、普段なら何気なく食べてしまうのですが、
子どもと一緒だと、蜜柑一つで、どれだけたくさんのことが学べるか(中略)、
子どもが言葉と出会っていく過程に胸を打たれましたし、
自分自身がまた、その蜜柑に出会い直したような気持ちがしました(後略)」
と語っています。

さすが歌人の感性と思います。

どこの家庭も、今では牛乳は当たり前のようになっていますが、
牛乳には、たくさんの言葉が詰まっている。
白さ、香り、甘さ、飲む温度、ノド越し、カップ・・・
こうしたことに出会い直し、
その幸福感を、さりげなく広められる言葉があってもいいように感じます。

牛乳の値段とは何だろう

2010 年 7 月 5 日

カテゴリー: — djkanto @ 4:36 AM 消費拡大

埼玉県内のある大手量販店で販売していた
大手乳業メーカーの「放牧いきいき牛乳」。
北海道十勝の放牧飼養で生産された生乳だけを原料乳に、
期間限定(6月から9月)で産地パック。

値段は218円。同メーカーの脱酸素製法による牛乳が238円。
いずれも130℃2秒殺菌で、ESL製法です。

放牧された牛の生乳には、ベータ・カロテン、共役リノール酸や
風味に影響するというフィテン類が多く含まれており、
それが放牧牛乳の特長と報告されています。
放牧牛乳を飲んだのは初めてなので、
その味について書くことは、ここでは控えますが、

値段は商品価値の一部を表したもの、というのが経済学の基本。
としたら、この20円の違いは何だろう、と思ってしまいます。

放牧飼養に価値をおくのか、脱酸素製法に価値をおくのか、
それにしても、放牧飼養の方々のメッセージが、
このパッケージから殆ど伝わってこないのが、もったいないと感じます。

なお、「放牧牛乳の試飲」(畜草研)について
弊誌8月号(7月20日発行予定)で掲載予定です。

梅雨の晴れ間に

2010 年 6 月 28 日

カテゴリー: — djkanto @ 4:20 AM 酪農現場

口蹄疫問題で、やたらと農場に行けないうちに
季節は移り、梅雨の時期となってしまいました。

無用な人の農場への出入はできないので(当支局は「無用」な部類に入るので)、
どうしてもというときは、ファミレスで会うことにしてしてきましたが、

ふと見ると、イタリアンや堤防草の刈り取りも終わり、
晴れた日には、夏空を思わせるくらいに日差しも強くなっていました。

皆様方も、暑熱対策に本腰を。

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